健康メニュー|トビウオ(あご) 低脂質・高たんぱくの優秀食材
夏が旬の魚といえば、アジ、カマス、アナゴ……そして今回ご紹介するトビウオもそのひとつ。水上を力強く飛ぶトビウオは、低脂質・高たんぱくでとてもヘルシーな魚なのです。今回はトビウオ(あご)の旬や栄養素、おすすめの食べ方をご紹介します。
夏が旬の魚といえば、アジ、カマス、アナゴ……そして今回ご紹介するトビウオもそのひとつ。水上を力強く飛ぶトビウオは、実はとてもヘルシーな魚なのです。今回はトビウオ(あご)の旬や栄養素、おすすめの食べ方をご紹介します。
トビウオ(あご)とは
■世界中に分布、日本近海でも20種類ほどが
トビウオはトビウオ科の魚の総称で、日本近海ではホントビをはじめ20種類ほどが生息しています。名前の通り、外敵から逃げるため水上を飛ぶように移動するのが特徴で、尾びれで水を打って飛び出すと、翼状の胸びれを広げ、水面から2~3メートルもの高さを、長い時では数百メートルも滑空します。ちなみにトビウオの卵はトビコと呼ばれ、寿司などでよく食べられています。
春先から晩夏まで出回りますが、旬の時期は夏。うろこが光り、背が青黒くえらがピンと張ったものが新鮮だとされています。
■九州地方では「あご」と呼ばれる
九州地方ではトビウオのことを「あご」と呼び、力強く飛ぶ姿から縁起がよいとされています。あごの名の由来は「干すと固くて食べるのにあごを使うから」、「正面からだとあごが出て見えるから」など諸説ありますが、中には「あごが落ちるほど旨いから」という説もあり、実際に天日で干した「干しあご」や、焼き干しにした「焼きあご」は、良いだしが取れる高級食材として重んじられています。
トビウオの栄養素
■「飛ぶ」習性は味や栄養面にもうれしい効果が
トビウオは水上を飛ぶために内臓が小さく、鮮度が落ちにくいといわれます。また、青魚の仲間ですが脂質が少ないため独特の青臭さが少なく、良質のたんぱく質をヘルシーに摂れる魚なのです。
■セレン、マグネシウムなどのミネラルも豊富
トビウオには、抗酸化作用を助け、若々しさを保つセレンや、骨や歯を健やかに保つマグネシウムなどのミネラルも多く含まれています。また、こちらも抗酸化作用で知られるビタミンE、お肌や髪、爪を健やかにするビタミンB6など、ビタミン類も豊富です。
トビウオのおすすめの食べ方
■焼き魚、竜田揚げ、南蛮漬けなど和食にぴったり
淡白な味わいのトビウオは和食との相性も抜群です。シンプルな刺し身や焼き魚もおいしいですし、脂質が少ないので竜田揚げや南蛮漬けなどの揚げ物も脂っこくなりすぎません。叩いて薬味と味噌で味付けをするなめろうも、爽やかで夏らしい味わいです。洋風に食べるのであればバター焼きやチーズ焼きなどもよいでしょう。
■すり身やハンバーグで骨ごと食べる
トビウオは小骨の多い魚です。丁寧に取り除いて食べるのもよいのですが、すり身にして鍋や汁の実にしたり、さつま揚げにしたりすれば、丸ごと食べられて骨を健やかにする働きも期待できます。ハンバーグ風に仕上げれば、お子さんも食べやすいでしょう。
■トビウオの干物やだし用の干しあご、焼きあごも活用して
生のトビウオが出回る期間は春から夏の数ヵ月、まさに季節の味といえます。とはいえ、時期以外でも冷凍の干物やだし用の干しあご、焼きあごなどは比較的手に入りやすいですから、こういった加工品でもぜひトビウオを味わってみてください。
ちなみに、伊豆地方の名物「くさや」はアジを開いたものが一般的ですが、実はトビウオでも作られています。また、あごのだしは、炊き込みご飯や煮物、うどんつゆなど、だしの味が決め手の料理には特におすすめです。
姿や習性だけでなく、味や栄養面でも他の青魚とはちょっと違った特長のあるトビウオ。脂ののった魚が苦手な方でもおいしく食べられる点は見逃せません。旬の味をぜひ、ご自宅でも楽しんでみてください。
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