郷土料理|深川めし あさりの栄養を残さずいただこう
あさりの身が大きく、ぷりぷりとしてくる春は、あさりを使った東京の郷土料理「深川めし」もまたおいしくなる季節です。今回は、「深川めし」とその栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。
あさりの身が大きく、ぷりぷりとしてくる春は、あさりを使った東京の郷土料理「深川めし」もまたおいしくなる季節です。今回は、「深川めし」とその栄養、おすすめの食べ方についてご紹介します。
東京の郷土料理「深川めし」とは
■江戸の漁師のまかない飯から家庭の味へ
東京都江東区、現在地名として残る深川よりも隅田川寄りの辺りに、江戸時代「深川浦」と呼ばれた貝類の豊富な漁場がありました。「深川めし」のルーツは、この漁場で漁師たちが食べていた、貝類を煮て汁ごとご飯にかけたまかない飯にあるといわれています。やがて、あさりの汁かけ飯が屋台で供されたり、家庭であさりの炊き込みご飯が作られたりするようになっていきました。
■調理法にも味にもバリエーションが
現在ではあさりとネギなどを煮て汁ごとご飯にかけたものや、煮汁で炊いたご飯にあさりを混ぜたものなどが「深川めし」と呼ばれるようになり、深川周辺でも多くの飲食店が提供しているほか、駅弁などでも親しまれています。ぶっかけ飯も炊き込みご飯も「深川めし」ですが、実はその味付けも、あさりを味噌で煮るレシピもあれば、しょうゆで煮るレシピもあるなどバリエーション豊かなメニューなのです。
深川めしに含まれる栄養やおすすめのアレンジ方法とは
■深川めしの主役!あさりのタウリンは肝機能を助け、体内機能のバランスをとる
あさりにはカルシウム・マグネシウム・亜鉛・鉄などの不足しがちなミネラル分が多く含まれます。疲労回復に役立つビタミンB2、貧血に有効なB12も豊富です。
また、うま味成分のタウリンは、余分な中性脂肪や血中コレステロールを減らして体内機能のバランスをとり、肝機能もサポートしてくれます。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
■あさりと味噌、ネギは相乗効果の高い組み合わせ
血液を健やかにする鉄分やビタミンB12の豊富なあさりですが、実は深川めしの味付けに使われる味噌にも、鉄分が多く含まれています。そして深川めしに欠かせないネギには、この鉄分の吸収を助けるビタミンCがたっぷり。貧血が気になる、血液を健やかにしたい方には特におすすめなのです。
■骨や貧血が気になる方、肝機能を高めたい方にうれしい卵とじの深川めし
しょうゆ味の深川めしで、ぜひ試したいアレンジが“卵とじ”です。あさりのビタミンB12含有量は貝類のなかでもトップクラスですが、同じく貧血に有効なビタミンB12が多いのが卵なのです。また、あさりのタウリンは肝機能をサポートし、卵のたんぱく質は肝細胞の再生を助けるので、肝機能を高めたい方にもうれしい組み合わせです。
仕上げにのりを散らせば、あさりやのりに含まれるカルシウムの吸収をネギのビタミンCが助けてくれますから、骨を健やかにしたい方にもおすすめです。
■塩分が気になる方は干ししいたけやゴボウ入りの炊き込み深川めしを
味噌やしょうゆでご飯に味をつける深川めしだけに、塩分の摂り過ぎが心配だという方もいるでしょう。その場合は、体内の余分な塩分を排出するカリウムが豊富な干ししいたけやゴボウを入れて、炊き込みご飯の深川めしを作ってみましょう。干ししいたけは、あさりに含まれるカルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれていますから、骨を健やかにする働きも期待できますよ。
江戸前ずしやドジョウ鍋など、東京の郷土料理というと、家庭よりもお店で味わうイメージがどことなくあるもの。深川めしはお店でもおいしく味わえますが、自宅でも気軽に作れるところがうれしいですよね。調理法や味付けを工夫して、ぜひ栄養たっぷりでおいしい深川めしを作ってみてください。
関連する投稿
野菜の豆知識|おいしい柑橘のキーワード「タンゴール」って知ってる?
柑橘類にはさまざまな品種がありますが、みかんやオレンジという異なる品種をかけ合わせた「タンゴール」は、それぞれの柑橘類の特徴を持ち合わせた柑橘類です。今回は、タンゴールの基本と代表的なタンゴールについて解説します。
入学、入社、転勤、一人暮らし……初めてのことばかりで、何かと忙しい新生活。今回は、そんな忙しい時の味方、手軽においしく、栄養たっぷりのご飯が食べられる冷凍弁当・惣菜の活用法をご紹介します。
女の子の健やかな成長を願う3月3日の桃の節句には、ひな人形とともにお供えするお菓子のひとつとして「ひなあられ」があります。同じようにお供えする桜もちが地域によって違いがあるのと同様、ひなあられにも東西で大きな違いがあることをご存じですか?今回は、ひなあられの東西の違いとあられとおかきの違い、地域で親しまれているひな祭りのお菓子をご紹介します。
いちごはそのまま食べるのはもちろん、多くのスイーツにも使われている身近なフルーツですが、たくさんの品種があることはご存じですか?今回は、多数あるいちごの品種のうち、生産量の多い品種をご紹介します。
会食のごちそうとしても、家庭の食事としても人気のしゃぶしゃぶ。それだけに、最近はさまざまな味や具材のバリエーションが見られます。今回は、しゃぶしゃぶのバリエーションを楽しめる変わり種具材をご紹介します。
最新の投稿
日本人にとって身近な桜。実は、桜の種類は数百種にものぼることをご存じでしょうか。広く知られる品種に「ソメイヨシノ(染井吉野)」、「ヤエザクラ(八重桜)」、「シダレザクラ(枝重桜)」などがありますが、その他は、あまりなじみがないのではないでしょうか。今回は、名前は知られていなくても、街角や観光地などに咲く桜をご紹介します。
肥満のもと、健康の敵と、なにかと悪者にされがちな「あぶら(脂質)」。しかし、生きていくために欠かせない栄養素でありむやみに断ってしまうと健康に悪影響をおよぼします。最近はエゴマ油、アマニ油など体にいいと注目されている食用油もあります。あぶらの性質や効果を学び、美味しく健康的に摂り入れましょう。
野菜の豆知識|おいしい柑橘のキーワード「タンゴール」って知ってる?
柑橘類にはさまざまな品種がありますが、みかんやオレンジという異なる品種をかけ合わせた「タンゴール」は、それぞれの柑橘類の特徴を持ち合わせた柑橘類です。今回は、タンゴールの基本と代表的なタンゴールについて解説します。
入学、入社、転勤、一人暮らし……初めてのことばかりで、何かと忙しい新生活。今回は、そんな忙しい時の味方、手軽においしく、栄養たっぷりのご飯が食べられる冷凍弁当・惣菜の活用法をご紹介します。
女の子の健やかな成長を願う3月3日の桃の節句には、ひな人形とともにお供えするお菓子のひとつとして「ひなあられ」があります。同じようにお供えする桜もちが地域によって違いがあるのと同様、ひなあられにも東西で大きな違いがあることをご存じですか?今回は、ひなあられの東西の違いとあられとおかきの違い、地域で親しまれているひな祭りのお菓子をご紹介します。