
散策|美しい京都の渓谷美を満喫。歴史ある川下り「保津川下り」(京都府)
京都府亀岡から嵯峨嵐山(京都市右京区)まで約16キロメートルに及ぶ峡谷美を船下りで楽しめる保津川(ほづがわ)下り。約2時間の自然とふれあう船旅は、見どころ満載です。間近に見られる大岩・奇岩怪石、激流や深渕など変化に富んだ川の流れ、愛宕山などの山並みと、四季折々に美しい景観が満喫できます。今回は、保津川下りの歴史や川下りの見どころについてご紹介していきます。
目次
京都府亀岡から嵯峨嵐山(京都市右京区)まで約16キロメートルに及ぶ峡谷美を船下りで楽しめる保津川(ほづがわ)下り。約2時間の自然とふれあう船旅は、見どころ満載です。間近に見られる大岩・奇岩怪石、激流や深渕など変化に富んだ川の流れ、愛宕山などの山並みと、四季折々に美しい景観が満喫できます。今回は、保津川下りの歴史や川下りの見どころについてご紹介していきます。

画像提供:保津川遊船企業組合
保津川下りへのアクセス
保津川下りの乗船場へは、JR京都駅から約20分のJR亀岡駅で下車して徒歩8分です。車の場合は、名神京都南ICから国道9号、京都縦貫道を経由、約60分の京都縦貫道篠ICで下りて約10分ほどです。
トロッコと京馬車に乗ろう

画像提供:保津川遊船企業組合
少し遠回りになりますが、JR京都駅から約12分のJR嵯峨嵐山駅に隣接した、トロッコ嵯峨駅からの嵯峨野トロッコ列車でのアクセスもすすめです。ディーゼル機関車に引かれて走る客車は窓ガラスのないオープン車両「ザ・リッチ号」などもあり、保津川沿いの自然や渓谷美をより体感できます。所要時間はトロッコ亀岡駅まで約25分です。
保津川下りの最寄り駅のトロッコ亀岡駅からは京馬車も運行していて、乗り継いでいけばより旅情がかきたてられます。パッカパッカと音をたてて歩く馬車は、バスで15分のところを25分かけて、ゆっくりと進みます。保津川の流れや周囲の田園風景がひと味違った趣で楽しめます。
明治から遊船としての歴史がある川下り

画像提供:保津川遊船企業組合
保津川の水流を利用して、下流にある京都・大阪に物資を輸送した水運から始まった川下り。鉄道や陸路の整備により需要が少なくなっていきました。しかし、保津川峡谷の自然美は四季を通じてすばらしく、急峻な山あいを縫うような流れ、迫力ある巨岩、神秘をたたえた鏡のような渕など、変化に富んだ景観は、川面からの眺めに代えられるものはありませんでした。以降、明治の遊船として観光客を乗せた川下りが始まったといわれています。
今では年間を通じて約30万の観光客が訪れ、四季それぞれの自然美とスリルを満喫できます。
船上からは季節ごとの絶景が楽しめます

画像提供:保津川遊船企業組合
船上からの景観は近景も遠景もすばらしく、約2時間の船旅は目を飽きさせません。名峰・愛宕山など、川の両岸にそびえる山々、穏やかな水面や急流、深い渕などの川の流れ、すべての景観が変化に富んでいます。
春には川面に花びらを落とす桜の花、初夏の新緑や岩に咲くツツジの花、錦秋の山々、冬はお座敷暖房船になり雪の峡谷が楽しめます。
約16キロメートルのコースに見どころが点在しています

画像提供:保津川遊船企業組合
乗船場は新保津大橋の上流、着船場は渡月橋の上流になります。その間は約16キロメートル。遠景には愛宕山や牛松山を臨みます。烏帽子岩、カエル岩、びょうぶ岩、かじか岩と名が付られた多くの奇岩は自然の流れが作り上げた芸術品です。
ほかにも、保津川の中で唯一滝の名が付く小さな滝「小鮎の滝」、水深10メートルの「殿の漁場」や水深15メートルの「曲り渕」、400年余りの長い年月の間、同じ箇所に竿をさす事により窪みができた「竿の跡」など次々に見どころが現れます。
旬の味に舌鼓 お薦めグルメ

画像提供:京懐石 雅 撮影:寺田太一 (画像はイメージです)
保津川下りを楽しんだら、ぜひ訪れて欲しいのが「京懐石 雅」です。春の筍や山菜、夏の鱧、秋の松茸、冬のフグやカニなど、選びぬかれた旬の食材を用いた懐石料理は、目にも優しく、心を豊かにしてくれそうです。
1日10食の昼食メニューは感動を呼ぶ美味しさ。お作りなどの小鉢や茶碗蒸し、デザートもついています。鱧のフルコースほか、おまかせ懐石も人気なので、好みを気軽に相談してみてはいかがでしょうか。また、湯ノ花温泉にある、古民家を再生した民泊の宿「離れ にうみ」でも、雅のケータリングが可能とのこと。予算に合わせて楽しめる本格懐石で、ステキな旅の思い出に彩りを加えてください。

画像提供:京懐石 雅 撮影:寺田太一 (画像はイメージです)

画像提供:京懐石 雅 撮影:寺田太一
所在地:京都府亀岡市余部町清水31-1
電話番号:0771-22-1586
営業時間:11:30~13:30(14:00閉店)、17:30~20:00
定休日:水曜
アクセス:JR嵯峨野線 亀岡駅より徒歩約8分、店舗より保津川下りまで車で約10分
※1日10食昼メニュー、おまかせ懐石は要予約
緩やかな流れのゆったり感と急流を下るスリル感のどちらも楽しめる京都ならではの川下りです。2時間の長旅も、その美しさにあっという間に過ぎていきます。京都の自然をいつもとは違う目線で楽しんでみてはいかがでしょうか。
所在地:京都府亀岡市保津町下中島2
電話番号:0771-22-5846
営業時間:9:00~15:30 12月1日~12月9日は9:00~14:30、12月10日~3月9日(お座敷暖房船として運行)は10:00~14:30
定休日:安全点検のため年2回運休、年末年始 ※暴風雨および増水の場合は、運航を中止します。
乗船料:大人4,100円 小人(4歳~小学生)2,700円
※掲載されている情報は2019年2月現在のものです。
関連する投稿
ゴールデンウィークから初夏にかけては、陽気に誘われて過ごしやすい時季です。そこで今回は、これまでご紹介してきた旅記事のなかで、「丸山千枚田」「奥入瀬渓流」「尾瀬国立公園」などの、新緑が美しい自然豊かな観光地や散策ルートをご紹介します。
キャッシュレス決済を利用する方が増えるなか、最も使用されているのがクレジットカード。しかし、これまでクレジットカードをあまり使用されていなかった方や、これからクレジットカードの使用を考えている方には分からないことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、いまさら聞けないクレジットカードの使い方や、注意したいポイントについてご紹介します。
語源・由来|「お雑煮」「羽根つき」 正月にまつわるめでたい由来
季節ごとの習わしや行事食は多々あれど、中でもお正月にまつわるものは、多く現代に残っています。今は簡略化されてしまって、そもそもの由来に思いを馳せることは少なくなっているかもしれません。今回は「お雑煮」と「羽根つき」が始まった理由や、言葉の意味をご紹介します。
イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに
6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。
散策|美しい渓流や苔に癒やされる川沿い散策「奥入瀬渓流」(青森県)
十和田八幡平国立公園(青森県)を代表する景勝地のひとつが「奥入瀬(おいらせ)渓流」です。十和田湖から流れ出る奥入瀬渓流は、国指定の特別名勝、天然記念物にも指定されています。四季折々の自然が満喫でき、遊歩道もしっかり整備されています。高村光太郎作の乙女の像でも知られる十和田湖と合わせての散策がおすすめで、ガイド付きのネイチャーツアーも開催されています。「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」で大人で優雅なリゾートも楽しめます。
最新の投稿
野菜の豆知識|「クルミ」 健脳作用や美容効果が期待できるスーパーフード
カリッとした食感や香ばしい風味が魅力の「クルミ」。スイーツやパンなどのアクセントになる食材ですが、健康や美容によいスーパーフードとしても注目を集めています。特に、血流の改善や脳の活性化につながるオメガ3脂肪酸が豊富。今回は、クルミが持つ健脳やアンチエイジングなど、さまざまな健康効果についてご紹介します。
芳醇な甘みとジューシーな食感が魅力の「メロン」。高級フルーツの代名詞であり、贈り物としても人気の果物です。メロンは世界中で栽培され、果肉の色や網目によって品種が分類されています。今回は、メロンの概要や栄養、高級メロンブランドのひとつ「クラウンメロン」などについてご紹介します。
人間の体が休息を欲するのは、お昼過ぎと夜の2回。午後にとる短時間の昼寝は、認知力や注意力の向上、集中力や作業効率のアップなど、さまざまな効果をもたらします。午後を効率的に過ごすための、「パワーナップ」の効果と実践のコツをご紹介します。
お酢は、世界中で使われている発酵調味料。食塩と並び人類最古の調味料といわれ、古くから健康によいと親しまれてきました。いろいろな種類がありますが、日本の家庭でよく使われているのが、穀物酢・米酢・黒酢・りんご酢です。「それぞれ何が違うの?」「使い分けが分からない」と、実は知らないことも多いのではないでしょうか。今回は、お酢の種類ごとの特徴と、適した使い方をご紹介します。
両手が空くリュックサック。楽かつ安全性も優れていると思っていても、ビジネスバッグやファッション性の高いバッグに慣れていると、自分に合ったものをうまく選べないことも。今回は基本的なリュックサックの選び方のポイントをご紹介します。