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郷土料理|いとこ汁(京都府) 邪気を払い、子孫繁栄をもたらす縁起料理

郷土料理|いとこ汁(京都府) 邪気を払い、子孫繁栄をもたらす縁起料理

いとこ汁は京都府の上賀茂(かみがも)地方の「さんやれ祭」、長岡京市(ながおかきょうし)の「おしょらい(精霊)さん」で供される行事料理。あずきと里芋などが入った白味噌仕立てのおみそ汁で、邪気払いや子孫繁栄の願いが込められている縁起料理です。


いとこ汁は上賀茂(かみがも)地方の「さんやれ祭」、長岡京市(ながおかきょうし)の「おしょらい(精霊)さん」で供される行事料理。あずきと里芋などが入った白味噌仕立てのおみそ汁で、邪気払いや子孫繁栄の願いが込められています。

祭事に欠かせないあずきがはいった精進料理

いとこ汁とは、あずきと、いも類・根菜・かぼちゃなどの野菜、こんにゃくなどを入れた白味噌仕立てのおみそ汁。あずきは必ず入り、その他の具材は上賀茂地方では里芋、長岡京市では特産物のナスと多少異なります。精進料理であるため、肉・魚類は一切用いません。上賀茂地域の伝統行事「さんやれ祭」や、長岡京市の一部集落に伝わる「おしょらい(精霊)さん」など、神様に供えた食物を煮ることから始まったとされています。

「いとこ」の由来は諸説あり、

それぞれの具材を別々に(=めいめいに)煮ることから、“姪と姪=いとこ”がひとつのお椀に入るから
火の通りにくい材料から順次(=追い追い)煮ることから、“甥(兄弟姉妹の子ども)=いとこ”が転じて
兄弟姉妹・いとこたちが一堂に会する冠婚葬祭の席で出されるから
肉なしで野菜ばかり(=近親関係)を煮るから
などが伝えられています。

農家の成人式だった「さんやれ祭」

さんやれ祭は幸在祭と書き、上賀茂神社で毎年2月24日に行われるお祭り。15歳になる男子の氏子(うじこ)を対象にした元服(成人)の儀式です。古くは上賀茂地域の農家を中心に行われた行事で、この日を境に男子は里仕事や行事、祭礼で一人前の大人として扱われるようになります。さんやれ祭に参加する子どもたちは、前日から集まって夜を明かします。24日には列を作り、太鼓や笛囃子(ふえばやし)で山の神・大田神社・上賀茂神社に参拝して、成人になったことを奉告します。このとき供されるいとこ汁には里芋が入っていますが、これは里芋が親芋のまわりに子芋・孫芋・ひ孫芋と連なる様子から“子孫繁栄”をもたらす縁起物とされているためです。

色に秘密あり、邪気を払うあずき

あずきは「古事記」「日本書紀」にその名が登場していることから、すでに8世紀には日本で栽培されていたようです。古来、赤い色には魔力があり、魔除けや邪気払いの力があるとされていました。赤飯が慶事だけでなく、葬儀などの良くないことがあった時にも食べられるのは、厄払いの意味が込められているためです。また、天然痘が大流行した江戸時代、天然痘を運ぶ疱瘡神(ほうそうしん)は赤い色が好きだと考えられていて、疱瘡神を喜ばせて帰ってもらうために、赤い紙や置物を置いたり、赤飯を食べたりしたという記録も残っています。医学が進歩してからの赤飯は、良くないことが起きたときの厄払いとして残り、さらには厄が払えた(=良くなった)ことが転じて、お祝いの時にも食べるようになったのです。

邪気を払うあずき、子孫繁栄の里芋が入ったいとこ汁。その他に用いられるかぼちゃ(=なんきん)は「ん(=運)」が2つもつき、ナスは「成す」に通じる縁起物です。縁起物ばかりが入ったお椀をいただくと、お祝いの気持ちがいっそう華やぎそうですね。

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