野菜の豆知識|秋の王様 まつたけの栄養と保存方法
「香りまつたけ、味しめじ」ということわざがあるほど豊かな芳香と、独特の歯ごたえを持つ秋の味覚「まつたけ」。香りの良さとお値段、一定期間しか出回らないという限定感も相まって、まさに秋の王様とも言える高級食材です。今回は、まつたけの栄養や旬、保存方法などをご紹介します。
目次
「香りまつたけ、味しめじ」ということわざがあるほど豊かな芳香と、独特の歯ごたえを持つ秋の味覚「まつたけ」。香りの良さとお値段、一定期間しか出回らないという限定感も相まって、食卓にのぼるとうれしくなってしまう高級食材です。まつたけの栄養や旬、保存方法などをご紹介します。
香りだけじゃない!まつたけの栄養
まつたけといえば、その香りを思い出すほどに香りが印象的ですが、カロリーは100グラム(生)あたり23キロカロリーとヘルシーで、お通じを良くする食物繊維も豊富です。
主な栄養はビタミンB2、エルゴステロール、ナイアシン、カリウムなど。エルゴステロールはビタミンDと同様に、カルシウムの吸収を助けます。ナイアシンは炭水化物や脂肪などをエネルギーに変える代謝作用を助け、皮膚や粘膜を正常に保ったり、血流を良くする作用があります。
意外と長い? まつたけの出回り時期
秋の味覚代表格のまつたけですが、輸入まつたけの参入によって6月から12月まで市場に出回っていますが、最もおいしい旬の時期は9月・10月です。
もともと高級食材であるまつたけは、国内の収穫量が減少したこともあり、国内産の価格がさらにあがりました。しかしその分、輸入ものが安価に多く出回るようになり、手に入りやすくなったといえます。
まつたけの下処理 食中毒予防のためにさっと水洗い
まずはまつたけの根っこの部分、石づきを取り除きます。ざっくり切り落としてしまうとちょっともったいないので、果物の皮を剥くようなイメージで表面だけ削りましょう。
まつたけは水に弱く、香りが損なわれるので水洗いはしないという方が多いのですが、食中毒予防のために水洗いをした方が安心です。市場のまつたけはすべてが天然物。土くずなどから雑菌が繁殖する場合もありますから、指先を使って全体をさっとで良いので水洗いしましょう。すぐにキッチンペーパーなどで水分をふきとって調理をします。
まつたけの保存方法(冷蔵・冷凍)
すぐに調理しない場合は、冷蔵庫で3日間ほど保存が可能です。下処理後、乾いたキッチンペーパーなどで包んでからラップをして冷蔵庫に入れておきましょう。傷みの原因になる水分はしっかりふきとっておきましょう。できるだけ低温で保存するのが望ましいので、野菜室ではなく冷蔵室に入れてください。
まつたけは冷凍保存も可能で、2、3カ月ぐらいはおいしく食べられます。石づきをとり、水洗いしてふきとったあと、凍ったまま調理しやすいようにカットしてからラップして冷凍庫へ。
解凍すると水分が出て食感と香りが失われてしまうので、凍ったままか半解凍で鍋やまつたけご飯に使いましょう。使い切れないほどまつたけがある……というチャンスにはなかなか巡り会えませんが、お正月料理のためにとっておくというのも良いアイデアです。
組み合わせたい秋の名カップル「まつたけ×サンマ」
まつたけはまつたけご飯や土瓶蒸し、焼きまつたけと、さまざまな調理法がありますが、そんなメニューと一緒に食卓にあげたいのは、同じく秋の味覚の代表格であるサンマです。まつたけに含まれるエルゴステロールがサンマのカルシウムの吸収を助け、また、ナイアシンがサンマの脂をエネルギー変えて、代謝を促します。
まだまだ暑さが抜けきらない時期ですが、それでも秋の食材を見ると「もう秋なんだなあ」と感じますね。秋はサンマにまつたけ、ぎんなんと食欲をそそる食材がもりだくさん。旬の秋素材を使って、身体も気持ちも秋へ切り替えていきましょう!
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