語源・由来|「フレーフレー」「甲子園」身近な言葉の意外な語源に迫る
何気なく日頃から使っている言葉の語源を知っていますか?いざ調べてみると、思ってもみなかった発見につながることがあります。今回は応援するときの言葉「フレーフレー」、そして高校野球の聖地、「甲子園」の語源について、ご紹介します。身近な言葉の語源を知ると、応援にも熱が入ります。
何気なく日頃から使っている言葉の語源を知っていますか?いざ調べてみると、思ってもみなかった発見につながることがあります。今回は応援するときの言葉「フレーフレー」、そして高校野球の聖地、「甲子園」の語源について、ご紹介します。
英語の「万歳」が転じて「フレーフレー」
「フレーフレー」の語源は諸説ありますが、英語の「hurray フレイ(万歳)」が語源とする説が最も有力とされています。
「hurray」は辞典で調べてみると、日本語の「万歳」「歓声の声(わあ)」「やったー」にあたります。海外ではスポーツの試合やパーティーの乾杯シーンなどでよく耳にする言葉で、興奮が抑えられなかったり、とてもうれしかったりするなどの喜びを表すときに使われます。
なお、おもしろいことに英語には「hurray」と同じ意味で、「hurrah フレイ」と「hooray フレイ」という単語があります。
例えばイギリスでは「Hip hip hooray!」と万歳三唱をしたり、喝采をおくったりします。これらの意味が転じて、日本では応援の気持ちをこめて使われるようになりました。ほかにも元気を出す、勢いが盛んになるといった意味の日本語「奮え」が語源になった、という説も。
そしてもう一つ「語源がモンゴル語にある」という興味深い説も語られています。
先ほど紹介した英語の「hurray」は、ドイツ語の「hurra フラ」を語源としていて、「hurra」の語源を調べるとロシア語の「ura」に行きつきます。この「ura ウラ」は、13世紀ごろにモンゴル帝国がロシアを支配していたとき、モンゴル語の「huraa」か伝わったものとされています。
モンゴル語の「huraa」は軍隊の雄叫びを意味し、ロシアの軍隊は「ura」と叫んだとか。
外国語にも日本語にも、さまざまな説がありおもしろいですよね。いずれにしても誰かを力づける言葉であることに変わりはありません。これらの意味を心にとどめながら応援してみてはいかがでしょうか。
縁起かつぎで名付けられた「甲子園」
「甲子園」は単純に甲子園球場周辺の土地を指す場合と、甲子園球場自体を意味する場合があります。今回は土地、球場どちらにも当てはまる「甲子園」の語源についてご紹介します。
この球場が「甲子園」と名付けられた理由は、球場が建てられた大正13年に関係しています。この年は、十干(じっかん)の「甲(きのえ)」と十二支の「子(ね)」が重なる年でした。その前に十干と十二支の最初が揃ったのは、なんと60年も前のこと。半世紀以上の時間をかけて再び「甲」と「子」が出合ったことは大変珍しく、「縁起が良い」こととされたため、球場とその周辺一帯の土地を「甲子園」と命名したというわけです。
ちなみに十干には「甲」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」などの10種類が、十二支には「子(ね)」「丑(うし)」「寅(とら)」などの12種類があります。甲子園ができた当時は、双方を組み合わせて暦に使われていたりしました。
そんなめでたい名前の甲子園球場では、完成当時の冬からツタの葉が球場の壁に植栽されてきました。これは球場を美しくみせるための工夫で、以来「甲子園球場といえばツタの葉」がイメージされるほどの欠かせないものに。一時は約430株にまで成長しましたが、平成18年からのリニューアル工事にあたり伐採することに。しかし工事の完了後に再び植栽され、現在は順調にツルを伸ばし続けています。
甲子園になじみのある関西の方も、そうでない地域の人々も語源を知らなければ気にもとどめなかった由来でしょう。このように改めて名前の由来をつきつめてみると、新しい知識と驚きが好奇心を刺激してくれるかもしれませんね。
関連する投稿
ゴールデンウィークから初夏にかけては、陽気に誘われて過ごしやすい時季です。そこで今回は、これまでご紹介してきた旅記事のなかで、「丸山千枚田」「奥入瀬渓流」「尾瀬国立公園」などの、新緑が美しい自然豊かな観光地や散策ルートをご紹介します。
キャッシュレス決済を利用する方が増えるなか、最も使用されているのがクレジットカード。しかし、これまでクレジットカードをあまり使用されていなかった方や、これからクレジットカードの使用を考えている方には分からないことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、いまさら聞けないクレジットカードの使い方や、注意したいポイントについてご紹介します。
語源・由来|「お雑煮」「羽根つき」 正月にまつわるめでたい由来
季節ごとの習わしや行事食は多々あれど、中でもお正月にまつわるものは、多く現代に残っています。今は簡略化されてしまって、そもそもの由来に思いを馳せることは少なくなっているかもしれません。今回は「お雑煮」と「羽根つき」が始まった理由や、言葉の意味をご紹介します。
イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに
6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。
散策|美しい渓流や苔に癒やされる川沿い散策「奥入瀬渓流」(青森県)
十和田八幡平国立公園(青森県)を代表する景勝地のひとつが「奥入瀬(おいらせ)渓流」です。十和田湖から流れ出る奥入瀬渓流は、国指定の特別名勝、天然記念物にも指定されています。四季折々の自然が満喫でき、遊歩道もしっかり整備されています。高村光太郎作の乙女の像でも知られる十和田湖と合わせての散策がおすすめで、ガイド付きのネイチャーツアーも開催されています。「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」で大人で優雅なリゾートも楽しめます。
最新の投稿
朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。
コミュニケーションの大切さや、心身の健康維持に効果的なポイントをご紹介します。
春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。
華やかで愛情を表現する花の代表格といえる「バラ」。バラは5~6月に咲くのが一般的ですが、品種によっては1年を通して楽しめるのも特徴です。今回は、バラが咲く時期やバラの花言葉、さまざまな健康効果も期待できるバラ茶やバラの香りについてご紹介します。
日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。