せたがや相談室~夏の不調~|第4回「熱中症」症状と対策
体調がイマイチだな、病院に行ったほうがいいのかな?ちょっとした体の不調は、なかなか人には相談できないもの。そこで今回は、消化器内科、消化管内視鏡、予防医学を専門にされている近藤慎太郎先生に、「夏の不調」をテーマに、夏場の体調管理についての心配や疑問、毎日を健やかに過ごすためのアドバイスをうかがいました。
- ●今回担当の専門家
-

近藤慎太郎 先生
日赤医療センター、東京大学医学部付属病院を経て、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。消化器内科、消化管内視鏡、予防医学専門。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手がけ、これまで数多くのがん患者を診療する。
熱中症は外因によって体温が上がりすぎてしまうことで起こります
熱中症とは、高温多湿な環境に身を置いたため、体温が“急激に”高くなることで起こるさまざまな症状のことをいいます。熱中症は長く日に当たることだけでなく、夏の高温な屋内でも起こりますし、もっといえば暖房をガンガンにかけた冬の室内でも熱中症になり得ます。かつて日射病と呼ばれていましたが、室内でも起こるので熱中症という言葉で統一されつつあるんですね。
熱中症になると、めまいや立ちくらみ、倦怠感、吐き気、ひどい場合には呼びかけに反応しないなどの意識障害の症状が出ます。そう聞くと非常に怖く感じるかもしれませんが、一方で「喉は渇いていないかな」「暑苦しくないかな」と普段から体の変化に注意することで、きちんと予防できるものでもあります。
熱中症指数や尿の色など、目に見えるサインも役立ちます
熱中症にならないためには、日に当たりすぎない、室内を適温に保つ、喉が渇く前に水分補給するといった、日ごろのちょっとした注意が大切です。しかし、年齢が上がってくると汗が出にくくなり、少しだるくてもそのままにしてしまう傾向があります。高齢の方に特に起こりがちな屋内の熱中症では、体のサインに気づきにくいことも原因のひとつと考えることができます。
「いつの間にか熱中症に…」という事態にならないために、目で見て分かる情報に注意を払っておきましょう。例えば、天気予報の予想最高気温や暑さ指数(熱中症指数)をチェックしたり、気温が高い時間帯はできるだけ外出を避けたりして、出かけなくてはならないときには日陰を歩くようにしましょう。
それから、体の水分が不足してくると尿の色が濃くなります。いつもより色が濃いなと思ったら、水分を多めにとってください。「熱中症予防には、こまめな水分補給が大切」と聞いたことがあると思いますが、こまめというところがポイント。一度にたくさん飲んでも尿で出ていってしまうので、コップなどに水を入れておいて目についたら飲むなど、こまめに水分をとる仕掛けを作っておくのもおすすめです。発汗で脱水が起こったり、体に熱がこもったりすると血圧が下がるので、血圧も目安になりますね。
熱中症になったときの水分補給については、こちらの記事も参考になります。
熱帯夜は、就寝前の工夫で乗り切りましょう
寝ているときは気温の変化や体の不調に気づきにくいので、「熱中症に気をつけて」といっても難しいですよね。就寝中の熱中症予防は、室内の気温を適温に保つことが重要になってきます。
例えば、密閉性が高く冷暖房が効きやすくなっている家は、その反面、風通しがないので熱がこもりやすくなっています。エアコンをタイマーにして休まれる方は多いと思いますが、エアコンが切れてから室内温度がぐんぐん上がって体調をくずしてしまったというケースも。エアコンが切れた後も暑くなりすぎないように、扇風機を首振りにして空気を回す、風を壁に向けて柔らかい風を体にあてるなど、エアコンと扇風機の両方を上手に活用して乗り切りましょう。
最近の天気予報は1時間おきの気温予想も出ていますから、夜間の気温もチェックできて便利です。正確ではなくともひとつの目安になりますよね。熱帯夜になりそうだという日には、エアコンをつけっぱなしにするのもひとつの手です。最近のエアコンは電気代も非常に安くなっていますし、もったいなからとエアコンを切って体調をくずしてしまっては元も子もありません。熱中症予防はもちろんですが、快適に過ごす工夫が病気予防には大切ですよ。
せたがや相談室では、専門家の先生をお招きして、みなさんからお寄せいただく質問にお答えしていきます。あなたの質問、お待ちしています!
専門家がお答えします ご質問はこちらから!
※ご質問の受け付けは終了している場合もございます。予めご了承ください。
※お寄せいただいた質問は、選考の上、採用いたします。 すべてのお悩みに回答できないことをご了承下さい。
関連する投稿
ゴールデンウィークから初夏にかけては、陽気に誘われて過ごしやすい時季です。そこで今回は、これまでご紹介してきた旅記事のなかで、「丸山千枚田」「奥入瀬渓流」「尾瀬国立公園」などの、新緑が美しい自然豊かな観光地や散策ルートをご紹介します。
キャッシュレス決済を利用する方が増えるなか、最も使用されているのがクレジットカード。しかし、これまでクレジットカードをあまり使用されていなかった方や、これからクレジットカードの使用を考えている方には分からないことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、いまさら聞けないクレジットカードの使い方や、注意したいポイントについてご紹介します。
語源・由来|「お雑煮」「羽根つき」 正月にまつわるめでたい由来
季節ごとの習わしや行事食は多々あれど、中でもお正月にまつわるものは、多く現代に残っています。今は簡略化されてしまって、そもそもの由来に思いを馳せることは少なくなっているかもしれません。今回は「お雑煮」と「羽根つき」が始まった理由や、言葉の意味をご紹介します。
イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに
6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。
散策|美しい渓流や苔に癒やされる川沿い散策「奥入瀬渓流」(青森県)
十和田八幡平国立公園(青森県)を代表する景勝地のひとつが「奥入瀬(おいらせ)渓流」です。十和田湖から流れ出る奥入瀬渓流は、国指定の特別名勝、天然記念物にも指定されています。四季折々の自然が満喫でき、遊歩道もしっかり整備されています。高村光太郎作の乙女の像でも知られる十和田湖と合わせての散策がおすすめで、ガイド付きのネイチャーツアーも開催されています。「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」で大人で優雅なリゾートも楽しめます。
最新の投稿
健康メニュー|暑くなる前に「煮込まないスープ」のレパートリーを増やそう
「煮込まないスープ」は、短時間で手軽に作れるので忙しい朝や暑い時期にもぴったりだと最近話題のメニューです。今回は、煮込まないスープを作る際に押さえておきたい煮込み時間を短縮するためのコツやおすすめの具材・味付けのバリエーションを解説します。
健康メニュー|「春雨」の名付け親は日本! その由来とおいしい活用法
「春雨」と聞くと、天気と食材のどちらを思い浮かべますか。実はこの二つは、まったく無関係ではありません。今回は、身近な食材である春雨の名前の由来や特徴、便利な使い方など、知っておきたい豆知識をご紹介します。
洋食店や喫茶店など、幅広い飲食店で提供されているナポリタンは、パスタの本場イタリアには存在しない日本生まれのメニューであることをご存じでしょうか?今回は、老若男女に愛されているナポリタンの発祥や名称の由来、ご当地メニューとしてのナポリタンなどについて解説します。
2026年4月1日から改正道路交通法が施行され、自転車の交通違反に「交通反則通告制度(いわゆる青切符)」が導入されます。今後は、交通事故の原因となるような、悪質・危険な違反であった時には反則金が科されることになります。「自転車だから大丈夫」と思っていた行為が、実は違反だった――そんなケースもあるかもしれません。この機会に、自転車の交通ルールをあらためて確認しておきましょう。
健康メニュー|せいろ蒸し 素材のうま味や栄養を逃さずおいしく
食材を並べて蒸すだけの「ほったらかし調理」で、素材のうま味や栄養を逃さず調理できる「せいろ蒸し」は、ヘルシーな調理方法として人気が再燃しています。今回は、せいろ蒸しの基本とせいろの選び方、おすすめメニューをご紹介します。
