健康メニュー|「すったて」 冷たくて食べやすいのに栄養満点!
暑い夏は、食べやすいことから冷たい麺類を食べる機会が多いのではないでしょうか。ただ、麺とつゆだけでは栄養も偏ってしまいます。そんな時に工夫したいのが、薬味やつけダレ。今回は、夏バテ対策にもぴったりな具だくさんの冷たい麺類で、埼玉県川島町の郷土料理「すったて」の栄養と、調理法をご紹介します。
画像提供:川島町商工会
暑い夏は、食べやすいことから冷たい麺類を食べる機会が多いのではないでしょうか。ただ、麺とつゆだけでは栄養も偏ってしまいます。そんな時に工夫したいのが、薬味やつけダレ。今回は、夏バテ対策にもぴったりな具だくさんの冷たい麺類「すったて」の栄養と、調理法をご紹介します。
埼玉県川島町の郷土料理「すったて」
埼玉県川島町は、川に囲まれ昔から稲作の盛んな地域でした。コメの裏作として小麦の栽培も行われていたことから、うどんがよく食べられるようになったのだそう。
このうどんを冷やし、夏野菜とごま、味噌をすり合わせたつけダレで食べるのが「すったて」です。簡単にできる栄養たっぷりの食事として、暑い夏や体力勝負の農作業を支えてきたのです。
すぐできて簡単!「すったて」の作り方
それでは、すったての作り方と、各素材の栄養について見ていきましょう。
まずはすりばちを用意して、食材を順番にすり合わせていきます。
画像提供:川島町商工会
■1. ごまをする
ごまには、食欲を増進させるビタミンB1、血管を健やかにするビタミンE、抗酸化作用に優れたセサミン、骨を健やかにするカルシウムなどの豊富な栄養素が含まれています。これらの栄養はごまの内側に含まれているので、すりばちですることによってより吸収されやすくなるのです。
※ごまについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
■2. 味噌を加えてすり合わせる
大豆を主成分とする味噌は良質のたんぱく質に富み、汗をかくことで失われがちな塩分も補ってくれます。さらに、味噌には血管内の炎症を防ぎ、血管の老化を防いでくれる「ポリアミン」が含まれています。
■3. 細切りにした大葉(青紫蘇)を加えてすり合わせる
青紫蘇(シソ)の別名である大葉には、免疫力を上げるβカロテン、ビタミン類、カルシウム、腸の運動を促す不溶性食物繊維や、必須ミネラルである鉄、マグネシウム、亜鉛、カリウムなどが含まれています。また、独特の香り成分ペリルアルデヒドには、食欲増進や食中毒予防の効果もあります。
※青紫蘇について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
■4. 粗みじんに切った玉ねぎを加えてすりつぶす
玉ねぎには、ケルセチンというポリフェノールの一種や、アリシンという辛み成分の元になる硫化アリルが含まれています。ケルセチンには強い抗酸化作用があり、血栓が発生するのも防いでくれます。アリシンもまた、血管を広げて血行を改善します。
※玉ねぎについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
■5. 薄い輪切りにしたきゅうりを加えて少したたく
水分が多く、栄養に乏しい野菜と思われがちなきゅうりですが、生食すればビタミンCやβカロテンなどの栄養素を効率よく摂ることができます。余分な塩分を体外に出すカリウムも豊富ですから、味噌の塩分が気になる方は少し多めに入れてみましょう。
■6. 薄く切ったみょうが、ネギなどを加える
みょうがの独特の香りはαピネンという成分によるもので、リラックス効果や血行を良くする働きがあります。また、辛み成分のミョウガジオールには抗菌作用もあります。
ネギには玉ねぎと同じくアリシンが含まれています。また、白い部分には殺菌効果のあるネギオールという成分も含まれます。
※ネギについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
この他に、すったてには砂糖や黒蜜などを入れることもあるようです。
材料をすべてすり合わせたら、最後に冷たい水かだし汁を入れ、よく混ぜて、別に用意したざるうどんのつけダレにします。宮崎県の郷土料理「冷や汁」のように、ご飯にかける食べ方も地元の人には定番なのだとか。
画像提供:川島町商工会
さまざまな栄養に富み、香り成分の強い野菜などで食欲を促す効果も高いすったては、まさに農家の知恵から生まれた夏の栄養食。冷たく食べやすいので、夏バテ対策にもおすすめです。
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