
野菜の豆知識|独特の香りで食欲がすすむ「バジル」
イタリア料理をはじめとして、アジア料理に登場することも多いハーブの一種「バジル」。バジルがどのような植物なのかは、意外に知られていないのではないでしょうか。今回は、バジルの基本と栄養、おすすめの食べ方をご紹介します。
イタリア料理をはじめとして、アジア料理に登場することも多いハーブの一種「バジル」。バジルがどのような植物なのかは、意外に知られていないのではないでしょうか。今回は、バジルの基本と栄養、おすすめの食べ方をご紹介します。

「バジル」とは? 実は身近なあの和ハーブの仲間

バジルとは、インドや熱帯アジア原産のハーブの一種。日本で身近な食材である大葉と同じ、シソ科のハーブです。イタリア料理には欠かせないバジルは、約4000年前にエジプトに伝わった後に南ヨーロッパへ伝わり、その後江戸時代に中国を経由して日本に伝わったといわれます。日本で一般的に呼ばれる「バジル」という名称は英語で、イタリア語の「バジリコ」と同じ意味を持ちます。
独特の爽やかな芳香と鮮やかな緑色が、バジルの大きな特徴。さまざまな種類があるバジルですが、日本で最も一般的なのは「スイートバジル」と呼ばれる種類です。多年草ではあるものの、寒さに弱く越冬できないため、日本では一年草とされています。しかし丈夫な植物なので、暑さを迎える前のタイミングで植えれば家庭でも手軽に栽培・収穫できます。
バジルの栄養
バジルは、健康によい効果が期待できるさまざまな栄養素が含まれたハーブです。体内で目や皮膚、粘膜の健康維持に必要なビタミンAに変換されるβ-カロテンや、血行改善、シミやシワの予防効果が期待できるビタミンEといった、抗酸化作用に優れた栄養を多く含んでいます。
骨を健康に保つカルシウムに加えて、血液を正常に保ちカルシウムの骨への沈着をサポートするビタミンKも含まれているので、骨を健やかに保つ効果もあります。また、バジルはミネラルも豊富。鉄も含まれており、貧血予防効果のほか、体内に酸素をめぐらせることによって疲労や筋力低下予防にもつなげられます。
バジルの独特の香りは、リナロールやオイゲノールという香り成分によるもの。これらの香り成分には、食欲増進効果や胃腸の働きをアップさせる効果、リラックス効果や集中力を高める効果なども期待できます。
バジルのおすすめの食べ方

バジルは、トマトやチーズとの相性が抜群。イタリア料理でおなじみのピザやパスタ、カプレーゼなどのメニューで、これらの食材と組み合わせるのが定番です。
バジルに含まれるβ-カロテンやビタミンK、ビタミンEは油と一緒に摂取することで吸収力がアップする脂溶性ビタミンです。そのため、バジルの栄養素を摂取するなら油と一緒に食べるのがベスト。爽やかな香りで胃腸の働きをアップさせて消化を促進させる効果が期待できるので、肉料理でもさっぱりと食べられるでしょう。
また、あっさりとした味わいの白身魚に合わせるのも、バジルの風味を生かしたメニューとしておすすめです。
バジルを「ジェノベーゼ」でおいしく

バジル独特の香りや風味を存分に味わうなら、やはりイタリア料理の定番である「ジェノベーゼ」にするのがおすすめ。日本で知られているジェノベーゼとは、元々はバジルにニンニクや松の実、チーズやオリーブオイルなどを加えてすりつぶした「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」という調味料のこと。本来の「ジェノベーゼ」とは、バジルの産地であるイタリアの都市「ジェノバの」という意味ですが、調味料の名称が転じて、「ジェノベーゼ」という単語のみでバジルを使った調味料またはパスタ料理を指すようになりました。
ジェノベーゼはピザやパスタと合わせるのが一般的ですが、サラダや魚料理にもぴったりの調味料です。しかも、オリーブオイルと合わせたジェノベーゼは、脂溶性ビタミンが豊富なバジルの栄養素を効率的に摂取できます。材料をミキサーに入れるだけで作れる上に保存がきくので、大量にバジルを収穫した際などに自宅で作ってさまざまな料理に使うのがおすすめです。
バジルは家庭でも栽培しやすく、爽やかな香りと味わいを生かした調味料「ジェノベーゼ」も家庭で手軽に作れます。健康効果が期待できる栄養も含まれたバジルを、さまざまな方法で味わってみましょう。
世田谷自然食品の「ジェノベーゼ」は、お湯を注ぐだけで手軽に楽しめるのに本格派。朝摘みバジルの爽やかな香りに、クリームのまろやかさとガーリックのコクが絶妙に絡み、最後の一口まで満足感のある味わいです。ぜひ召し上がってみてください。
関連する投稿
西日本の夏の風物詩として知られているのが、高級食材の「鱧(ハモ)」です。今回は、鱧が東日本で馴染みがない理由や鱧に含まれる栄養、鱧を味わえるさまざまな食べ方についてご紹介します。
野菜の豆知識|「パプリカ」の旬はいつ? ピーマンとの違いは?
パプリカは赤や黄色などのカラフルで鮮やかな色と、青臭さのない甘い味わいが特徴の野菜です。日本の食卓でもよく見かけるようになり、近年ではすっかり定番の食材です。今回は、そんなパプリカの基本情報と含まれる栄養素、おすすめの食べ方や保存方法などについて解説します。
健康メニュー|元をたどればアヒル!? 鶏肉とはひと味違う「鴨肉」の魅力に注目
濃厚な風味と食べ応えで、鶏肉とは異なる魅力がある「鴨肉」。鴨からとった「鴨だし」は、脂とうま味がスープに溶け出してぜいたくな味わいです。今回は、鴨肉のなかでも主流となっている「合鴨」について、その栄養価や郷土料理を含めたおすすめの食べ方まで幅広くご紹介します。
「豆苗」は、新芽を野菜にしたスプラウトの一種です。価格が安定しており、淡白でさまざまな料理に使いやすい味や再収穫できるという特徴から、広く食卓にのぼっている野菜です。今回は、豆苗の基本的知識や栄養、再収穫のコツなどを解説します。
甘辛く炭火焼の香ばしい味わいの豚肉がたっぷり乗った「豚丼」は、北海道の十勝地方の名物料理として日本全国で知られるメニューです。なぜ十勝地方で豚丼が名物になったのでしょうか。豚丼が生まれた理由や家庭でおいしく豚丼を作るコツ、豚丼に合わせるおすすめメニューをご紹介します。
最新の投稿
西日本の夏の風物詩として知られているのが、高級食材の「鱧(ハモ)」です。今回は、鱧が東日本で馴染みがない理由や鱧に含まれる栄養、鱧を味わえるさまざまな食べ方についてご紹介します。
健康習慣|「りんご酢」で夏バテ予防! うれしい効果とおいしい活用法
連日の暑さでなんとなく身体がだるい、食欲がわかない……。そんな“夏バテ”のサインを感じたら、「りんご酢」を取り入れてみませんか?やさしい酸味とフルーティーな香りが特長のりんご酢は、ドリンクとしてはもちろん、お料理に使っても美味です。夏バテ予防に役立つ「りんご酢」で期待できる効果や、手軽に取り入れられる活用法をご紹介します。
野菜の豆知識|「パプリカ」の旬はいつ? ピーマンとの違いは?
パプリカは赤や黄色などのカラフルで鮮やかな色と、青臭さのない甘い味わいが特徴の野菜です。日本の食卓でもよく見かけるようになり、近年ではすっかり定番の食材です。今回は、そんなパプリカの基本情報と含まれる栄養素、おすすめの食べ方や保存方法などについて解説します。
健康メニュー|元をたどればアヒル!? 鶏肉とはひと味違う「鴨肉」の魅力に注目
濃厚な風味と食べ応えで、鶏肉とは異なる魅力がある「鴨肉」。鴨からとった「鴨だし」は、脂とうま味がスープに溶け出してぜいたくな味わいです。今回は、鴨肉のなかでも主流となっている「合鴨」について、その栄養価や郷土料理を含めたおすすめの食べ方まで幅広くご紹介します。
健康習慣|なんだか毎日だるい……? 「梅雨だる」対策に習慣にしたい簡単セルフケア
雨と曇天、ジメジメする梅雨の時季は、体が空模様に合わせるように重く感じたり、やる気が出ないと感じたりする方が増えるようです。この時期特有の体調不良は「梅雨だる」や「6月病」などと呼ばれ、湿度や気圧の変化が影響しています。今回は、そんな「梅雨だる」の原因と、日常でできるセルフケアの方法をご紹介します。