野菜の豆知識|とろろ昆布とはどう違う? 「おぼろ昆布」
みそ汁やおひたしのトッピングなどに使われることが多い、おぼろ昆布。似た種類の昆布に「とろろ昆布」がありますが、この2種類の昆布にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、おぼろ昆布ととろろ昆布の違いや栄養、食べ方についてご紹介します。
みそ汁やおひたしのトッピングなどに使われることが多い、おぼろ昆布。似た種類の昆布に「とろろ昆布」がありますが、この2種類の昆布にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、おぼろ昆布ととろろ昆布の違いや栄養、食べ方についてご紹介します。
「おぼろ昆布」とは? とろろ昆布とはどう違う?
おぼろ昆布とは、マコンブやリシリコンブなどの乾燥させた昆布を酢漬けにして柔らかくし、表面を手作業で1枚1枚削ったものです。1枚が0.01~0.4ミリメートルと、向こう側が透けて見えるほど非常に薄く削られているので、繊細な口溶けが味わえます。
おぼろ昆布とよく似た昆布にとろろ昆布がありますが、原料や作り方はおぼろ昆布とほぼ同じです。大きく異なるのは、製造工程と昆布の等級。おぼろ昆布は職人が手すきで紙のように薄く面を削って作るのに対し、とろろ昆布は重ねて圧力をかけた昆布を機械で糸のように薄く縦に削って作られます。おぼろ昆布は面を削るのに適した、平らで肉厚な最高級の昆布を用います。一方、とろろ昆布にはおぼろ昆布のような高級な昆布が必要ではないため、低い等級の昆布を用いるという点も異なります。
おぼろ昆布のほうが手間がかかっており、昆布のグレードも高いことから、とろろ昆布よりも高級品として扱われています。
おぼろ昆布の栄養
■アルギン酸
おぼろ昆布に含まれる代表的な栄養素が、食物繊維のアルギン酸。昆布のほか、わかめやもずくなどの海藻類に含まれている多糖類で、独特のぬめりがあります。アルギン酸にはナトリウムと結合して体外に排出して、血圧を下げる効果が期待できます。食物繊維の一種であるため、アルギン酸は善玉菌を増やして腸内環境を整える働きを持っており、便秘予防や美肌効果も期待できます。また、アルギン酸を摂取すると満腹感を得られ、しかも体内にほとんど吸収されないので、おぼろ昆布はダイエットにも最適な食材と言えるでしょう。
■フコイダン
おぼろ昆布に含まれる栄養としてもう一つ知られているのが、フコイダンです。こちらもアルギン酸と同様、昆布のぬめりのもととなっている食物繊維の一種。摂取すると胃液の分泌が活発になることで満腹感が得られるほか、善玉菌を増やすことによる腸内環境の改善、がん細胞を栄養不足にして壊死させる働きでがん抑制効果などが期待できます。
■カリウム
おぼろ昆布にはカリウムという、神経伝達や心臓、筋肉の働きを調整する役割を持つ、健康維持に欠かせないミネラルの一種も豊富に含まれています。カリウムは体内の水分バランスを整える働きを持っており、余分なナトリウムを体外に排出するのでむくみや疲労の予防効果が期待できます。加えて、血圧を下げる効果や、高血圧が原因で起こる可能性がある脳血管疾患などの予防効果も期待できます。
おぼろ昆布のおすすめの食べ方
糸状のとろろ昆布は食材に和えたりまぶしたりする方法のほか、汁物に入れて食べられることが一般的です。おぼろ昆布はとろろ昆布よりも大きなシートのような形状をしているため、海苔の代わりとしておにぎりや煎餅、手巻き寿司に使用されています。おぼろ昆布を食べるなら海苔と同じように巻いたり包んだりして使うと、とろろ昆布よりもしっかりとしていながら口の中でとろける独特の食感を楽しめるのでおすすめです。
また、おぼろ昆布は基本的にはとろろ昆布と同じ原料を使用しているので、とろろ昆布と同じようにみそ汁や酢の物、和え物などのトッピングとしても活用できます。
おぼろ昆布ととろろ昆布には、加工方法や手間、昆布のグレードに違いがあります。とろろ昆布よりもおぼろ昆布のほうが高級品で、とろけるような口溶けが味わえます。定番のみそ汁やおにぎりの海苔の代わりとして、さまざまなレシピで楽しんでみましょう。
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