
野菜の豆知識|春の頼もしい緑黄色野菜「菜の花」
黄色い花と鮮やかな緑の葉と茎を持つ菜の花は、春に短い旬を迎える野菜です。独特の風味を持つ菜の花には、健康効果が期待できるさまざまな栄養が含まれています。今回は、春に味わいたい菜の花の基本と選び方、おいしく調理するコツをご紹介します。
黄色い花と鮮やかな緑の葉と茎を持つ菜の花は、春に短い旬を迎える野菜です。独特の風味を持つ菜の花には、健康効果が期待できるさまざまな栄養が含まれています。今回は、春に味わいたい菜の花の基本と選び方、おいしく調理するコツをご紹介します。
食用の「菜の花」は「菜花(ナバナ)」とも

春の野菜として知られる菜の花は、実は特定の花を指す名称ではないことをご存じでしょうか。菜の花とは、アブラナ科の花の総称です。キャベツや小松菜、ブロッコリーなど普段の食卓で馴染みのある野菜のほか、セイヨウアブラナやセイヨウカラシナなどの土手に咲く花などのアブラナ科の野菜の花も、全て菜の花の一種なのです。「菜の花」に分類される野菜には多くの種類がありますが、一般的には食用として出回っているもののみ「菜の花」や「菜花」と呼ばれています。
菜の花は「菜花(ナバナ)」と呼ばれることもありますが、これは食用として販売されているアブラナ科の野菜のうち、「アブラナ」の若い茎とつぼみを指します。花や葉茎を食べるアブラナ科の植物には、そのほかにもカブや小松菜、からし菜などがあります。
菜の花の辛味で免疫力UP

菜の花は成長のために必要な栄養素を多く含んでいるため、栄養たっぷりの食材です。菜の花の味の特徴といえば、苦みと辛味ですが、この独特の味はアブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートという成分によるもの。
イソチオシアネートには強力な抗酸化作用があるため、免疫力アップ効果が期待できます。また、薬膳では体の中で滞った血の巡りの改善に効果的とされており、冷えの改善や月経不順などの効果も期待できるといわれています。
菜の花にはβ-カロテンやビタミンE、葉酸などの栄養素が多く含まれています。さらにコラーゲンの生成を助けるビタミンCが豊富で、カルシウムも含まれています。骨の健康が気になる方は、カルシウムの吸収をサポートし、骨密度を維持する働きを持つビタミンDを一緒に摂取しましょう。
おいしい菜の花の選び方

新鮮な菜の花を選ぶには、切り口がみずみずしいもの、つぼみが開いておらず青い状態で固く締まっているもの、そして鮮やかな緑で張りのある葉や茎か、茎の中心に空洞がなく緑色かをチェックしましょう。
菜の花は、花が咲いてしまうと苦みが強く口当たりも悪くなってしまいます。鮮度が落ちると栄養価も下がるので、新鮮なうちに食べましょう。新鮮な菜の花を購入したら、少しでも長く鮮度を保つために水に軽くさらしておくのもポイントです。
菜の花をおいしく食べるコツ

菜の花をおいしく食べるには、ゆで方にも工夫が必要です。火が通りやすい野菜なので、ゆですぎるとシャキッとした食感が失われる上、水溶性のビタミンCが流れ出してしまいます。よい食感と栄養素を逃さないためにも、調理する際は茎から沸騰したお湯に入れ、約1分後に葉を入れてから30秒程、短時間でサッとゆでましょう。予熱でも柔らかくなりやすい菜の花ですが、冷ますために水にさらすと水溶性ビタミンが流れるためおすすめできません。ザルに広げて粗熱を取りましょう。
菜の花の茹で汁には、昆布やかつおだしのような風味があるので、おひたしにする際は茹で汁を使うとうま味が加わりおいしく仕上げられます。
菜の花の苦みや辛味が苦手な方は、ツナやマヨネーズと和えてみましょう。お湯に塩と少しの和からしを入れてゆでた後、水にさらすと苦みを抑えられます。また、ごま油などと一緒に食べると、油に溶けるβ-カロテンやビタミンEの吸収率がアップするのでおすすめです。
菜の花を始めとする春野菜の栄養や食べ方については、こちらの記事でも紹介しています。
菜の花を食べて春を迎えたことを実感する方は多いかもしれません。菜の花の独特の風味が苦手という方でも、調理方法を工夫することでおいしく、しかも豊富な栄養を摂取できます。今回ご紹介した情報を参考に、春を感じられる季節の野菜として菜の花を味わってみましょう。
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