
健康メニュー|ほうとうやおっきりこみとは違う? 「ひもかわうどん」
円形に近い断面の一般的なうどんに対し、最近は幅広のうどんが注目されています。そのひとつが、群馬県の名物うどん「ひもかわうどん」です。今回は、ひもかわうどんの基本情報やルーツ、食べ方などをご紹介します。
円形に近い断面の一般的なうどんに対し、最近は幅広のうどんが注目されています。そのひとつが、群馬県の名物うどん「ひもかわうどん」です。今回は、ひもかわうどんの基本情報やルーツ、食べ方などをご紹介します。

群馬県の郷土料理「ひもかわうどん」とは

群馬県は江戸時代から粉食文化が根付いており、うどんが親しまれてきた地域です。ひもかわうどんは、群馬県桐生市を代表する名物として知られています。ひもかわうどんは一般的なうどんと比較すると麺の幅が非常に広く、1.5センチから10センチ以上まで、店によって麺の幅が異なります。幅が広い代わりに、厚みがおよそ1ミリ程度と薄いため、つるんとした喉越しが特徴です。
群馬県にはほかにも、将軍家に献上されたと伝えられ、コシが強く柔らかな館林市の「館林うどん」、日本三大うどんのひとつに数えられる渋川市の「水沢うどん」など、地域によって異なる個性的なうどんがあります。
ひもかわのルーツはあの名古屋めしと同じ?

平たいうどんといえば、名古屋めしとして全国的に知られる「きしめん」を連想する方は多いのではないでしょうか。実は、ひもかわうどんのルーツはきしめんと同じという説があるのです。
江戸時代、現在の愛知県刈谷市である三河国の芋川(いもかわ)という地域では平打ちうどんが名物でした。江戸時代後半になると、平打ちうどんを「ひもかわ」と呼ぶようになり、これが関東地方に伝わったのが、ひもかわうどんのルーツといわれています。他方で、名古屋に伝わった芋川の平打ちうどんがきしめんになったのだとか。
「ひもかわうどん」という名称の由来は、平打ちうどんのルーツである「芋川」という地名がなまった、または革ひものような平たい形状だったことなど諸説あります。
ひもかわ・ほうとう・おっきりこみの違い

ひもかわうどんと似たタイプの料理は、他の地域にもいくつか存在しています。そのひとつが、「ほうとう」です。ほうとうとは、味付けした汁で肉や野菜と一緒に平たい麺を煮込んだ料理です。
山梨県の郷土料理として知られるほうとうは、味噌仕立ての汁で平たい麺とかぼちゃやきのこ、肉や野菜を煮たもの。この「甲州ほうとう」に対し、埼玉県入間郡や比企郡で食べられているのは、特産の深谷ねぎや鶏肉、根菜類などを入れた「武州煮ぼうとう」で、かぼちゃを使わない醤油ベースの味付けが甲州ほうとうとの大きな違いです。
また、群馬県や埼玉県には、「おっきりこみ」という郷土料理がありますが、これは群馬県全域と埼玉県秩父地域での煮ぼうとうの呼び方。埼玉県入間郡や比企郡では、「ひもかわ」または「打ち入れ」とも呼ばれます。群馬北部や東部では「おきりこみ」などと呼ばれることもあり、群馬県内でも味付けや呼び方が地域によって異なります。
つまり、ひもかわやほうとう、おっきりこみは基本的にはほぼ同じ、ひもかわうどんのような平たい麺を煮た料理で、味や具材の違い、呼び方に違いがある程度です。
ひもかわうどんの食べ方

ひもかわうどんのご当地である桐生市では、つゆにつける、または醤油ベースの出汁で煮込んで食べます。独特の平たい形状を楽しむには、まずはこのような基本の方法で食べてみましょう。
煮込みに適しているひもかわうどんは、山梨県のほうとうや埼玉県の武州煮ぼうとうのようにたっぷりの具材と煮込むのもおすすめ。普通のうどんと同様、カレーうどんや焼きうどんにアレンジすると、異なる食感を楽しめます。
パスタの代わりにひもかわうどんを使うと、洋風メニューにもアレンジができます。シート状パスタの代わりにゆでたひもかわうどんを使ったラザニアは、チーズやミートソースと合わせても違和感のないイタリアンに。平打ちパスタのタリアテッレの代わりにひもかわうどんを使ったカルボナーラも、クリーミーなソースがよく絡むおすすめの洋風アレンジメニューです。
群馬県桐生市の名物・ひもかわうどんは、きしめんと同じルーツを持つといわれる、独特の平たい形状のうどんです。基本の食べ方で味わえるのはもちろん、パスタの代わりとして洋風にアレンジするなど、ひもかわうどんをさまざまな食べ方で楽しんでみましょう。
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