健康メニュー|野菜と味噌を一緒に発酵 食べる味噌「金山寺みそ」の魅力&使い方アイデア
金山寺みそ(きんざんじみそ)とは、味噌の材料と野菜を一緒に発酵させた「食べる味噌」です。野菜の甘みや麹のうま味、塩分が重なり合って、ご飯のおともやお酒のアテにと、幅広く使えます。あると便利な金山寺みその由来や食べ方をご紹介します。
金山寺みそ(きんざんじみそ)とは、味噌の材料と野菜を一緒に発酵させた「食べる味噌」です。野菜の甘みや麹のうま味、塩分が重なり合って、ご飯のおともやお酒のアテにと、幅広く使えます。あると便利な金山寺みその由来や食べ方をご紹介します。
食べる味噌「金山寺みそ」とは
出典:農林水産省Webサイト「うちの郷土料理」
画像提供元 : 株式会社小川屋味噌店
金山寺みそは千葉県東金市の特産品で、主に千葉県、和歌山県、愛知県、静岡県で食べられている郷土料理です。大豆と麦麹など味噌の材料になるものと、ウリ・ナスといった夏野菜とシソ・生姜を合わせ、発酵させることで作られます。
材料からもおわかりのように、もともとは夏野菜を冬でも食べられるようにした保存食でした。いろいろな野菜が入っているため単品でも食べごたえがあり、「食べる味噌」「なめ味噌」「おかず味噌」などと呼ばれています。今でも家庭で作られているほか、地元のスーパーやネットショップで通年手に入ります。
「しょうゆの起源」説も!? 金山寺みその歴史
金山寺みその発祥は諸説あり、なかでも以下の二つの説が有力とされています。
ひとつは、真言宗の開祖である空海(弘法大師)が、遣唐使となり中国(唐)の金山寺に赴いた際に持ち帰り、高野山を開創した後、修行僧の食事に用いたのが広まったという説です。
もうひとつは、臨済宗の僧である心地覚心(しんちかくしん)が、中国(宋)の「径山寺(きんざんじ)味噌」の製法を日本に持ち帰ったという説。心地覚心は和歌山県の興国寺を建立した人物です。
実は、「金山寺みそ」がしょうゆの起源だったのでは、という説もあります。当時の金山寺みそは水分が多く、樽(たる)の底にたまった液を煮炊きに使ってみると大変美味だったそうです。この液体が調味料として発達してしょうゆになったといわれています。
「金山寺みそ」と「もろみ味噌」との違い
粒感のある味噌としては、全国的には「もろみ味噌」のほうが知られているでしょう。しょうゆや味噌の醸造過程であまる固形部分のことを「もろみ」と呼び、これが「もろみ味噌」の元祖です。現代の「もろみ味噌」は余り物ではなく、そのものを楽しむために作られています。
また、「金山寺みそ」は単体でおかずになりますが「もろみ味噌」には野菜が入っておらず、何かにトッピングするもので調味料の役割に近いという違いがあります。
地元では常識? 「金山寺みそ」の食べ方いろいろ
出典:農林水産省Webサイト「うちの郷土料理」
画像提供元 : 株式会社小川屋味噌店
麦麹の香ばしい香りと甘み、一緒に漬け込まれた野菜のうま味、さらには味噌自体の塩気。何層にも味わいが重なった深みのあるおいしさが金山寺みその特徴です。
ご飯に直接のせればどんどんご飯が進むおかずにもなりますし、お茶漬けにトッピングすれば食欲のない時でもしっかりと食べられます。簡単なところではきゅうりや冷奴にのせてもおいしいですし、和歌山では茶粥のおともに添えられるそう。
お酒のアテとしては、チーズと一緒に食べるのがおすすめ。うま味の強い濃厚さがクセになる味わいです。焼いた肉や魚のトッピングに、味のアクセントとしてもぜひ試してみてください。
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