
心も体も健康的なお酒との「上手」な付き合い方
普段あまり飲まないお酒を飲んで失敗したり、 つい飲み過ぎて二日酔いに悩まされたりすることはありませんか? 家族や友人と飲むお酒は楽しいものですが、飲み過ぎは健康にもよくありません。 お酒との上手な付き合い方を知り、健康を維持しながら楽しみましょう。
教えていただいたのは

監修:垣渕 洋一(かきぶち よういち)
成増厚生病院 副院長
東京アルコール医療総合センター
センター長 医学博士
筑波大学大学院修了後、2003年より成増厚生病院附属の東京アルコール医療総合センターにて精神科医として勤務。最新の知見を応用した治療を行い、多くの回復者を送り出している。著書『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』(青春出版社刊)が好評。
「お酒はし好品」という勘違い
一般に、お酒はお茶やコーヒーなどと同じし好品だと思われていますが、脳や体への影響から考えると、れっきとした薬物です。薬を服用する際に、適切な飲み方をしなければ十分な効果が得られないどころか、体に有害な副作用が出ることがありますが、お酒も同じです。
お酒も、適量なら気分を高揚させ、コミュニケーションの潤滑剤になるといった効果が得られますが、飲み過ぎれば頭痛がしたり、二日酔いになったりという副作用が出ます。わずかな量でも体には影響があり、毎日60g以上の純アルコール摂取を続けていれば、臓器障害が現れるのはほぼ確実と言えます。(年齢や体質、性別により症状が出るまでの期間は異なります)お酒と上手に付き合っていくためには、こうしたリスクを知っておくことも大切です。
お酒の“適量”ってどれくらい?
また、どうしても1日の適量(純アルコール20g)では少なすぎると感じる人は、1日当たりの純アルコール摂取量を男性は40g以下を目安にしましょう。(女性は20g以内)そして、週に連続して2日の休肝日を設けること。それが、病気のリスクを減らすことにつながります。

お酒に強い人と弱い人の違い
お酒に強いか、弱いかは、体質によって異なり、その体質は遺伝によって決まります。
体内に入ったアルコールを分解し排出する過程で「アセトアルデヒド」という体に有害な物質(悪酔いのもとになるもの)が生成されます。お酒に強い、弱いというのは、このアセトアルデヒドを分解する酵素の働きの違いで、日本人は大きく下記の3つのタイプに分類されます。

非活性型の人が無理をしてお酒を飲めば急性アルコール中毒などになる危険もあるので、“飲めば慣れる”などといって、飲酒を強要してはいけません。低活性型の人は、飲み慣れてくると強くなったように感じることもありますが、アルコールの作用に対して体の反応が鈍くなるだけで、強くなっているわけではありません。無理をして飲み続ければ体を壊すことになります。また、お酒に強い人ほど酒量が増えがちなので、それを自覚し、飲酒量をコントロールすることが大切です。
飲みすぎ注意!お酒と上手に付き合うポイント
二日酔いを防ぎ 楽しく上手に飲むために
Point1 食べながらゆっくり飲む

Point2 時間を決めて飲む

Point3 お酒を飲みながら水も飲む

Point4 その日、飲む量を決めておく

お酒を飲むとき、飲んだ後に注意したいこと
Point1 薬の服用は注意

Point2 飲酒直後の入浴は厳禁

二日酔いになってしまったら
Point1 しっかり水分補給し、食事は無理せず
また、無理して食事をとる必要はありませんが、食べられるなら、アルコール代謝に必要なビタミンB群を含むもの(豆腐、豆乳、みそ汁など)をとるといいでしょう。

Point2 汗をかくのは危険

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