健康習慣|大寒の過ごし方 冬を健康に乗り切る
二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、1年で最も寒さが厳しいとされる「大寒(だいかん)」。この時期を乗り越えれば、いよいよ春の気配がやってきます。今回は、大寒の概要や食、健康に乗り切る過ごし方などをご紹介します。
二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、1年で最も寒さが厳しいとされる「大寒(だいかん)」。この時期を乗り越えれば、いよいよ春の気配がやってきます。今回は、大寒の概要や食、健康に乗り切る過ごし方などをご紹介します。
二十四節気の最終節「大寒」
二十四節気とは、古代中国で考案された季節の区分法のこと。太陽の軌道を元に1年を春・夏・秋・冬の4つに分け、それぞれの季節を6つに区分しています。1年は立春からはじまり、各節気を約15日間ずつで区切って名前がつけられるため、大寒は二十四節気の最終節。ひとつ前の小寒と大寒の間の約1ヵ月は、「寒の内」と呼ばれ、1年のなかで寒さの厳しい時期になります。大寒は特に寒気が極まり、最も寒くなる頃といわれています。
二十四節気はその年によって日付が変動しますが、2023年の大寒は1月20日。また、期間を示す際にも使われ、その場合は1月20日から立春前日の2月3日までが大寒となります。冬の最後の節気であり、厳しい寒さのなかにも徐々に春の気配が感じられるようになります。
「大寒」の過ごし方
■栄養をしっかり摂る
寒さが厳しいこの時期は、体をあたためるためにエネルギーを使うため、栄養をしっかり摂りましょう。冷えによって胃腸が弱り、食欲不振になりやすい時期です。
「雑炊」は、食欲がない時でも胃腸にやさしく食べられる消化によいメニュー。卵や野菜などを加えれば、さらに栄養を摂ることができます。
雑炊のレシピやおすすめの具材については、以下の記事も参考にしてみてください。
■太陽の光に当たる
寒いと屋外に出ることがおっくうになりがちですが、積極的に太陽に当たるようにしましょう。冬になると、気分が落ち込む、朝起きられない、人付き合いが面倒になるなど、心身に不調が出ることがあります。その原因は、日照時間の短さにあるといわれています。日照時間が短い冬こそ、空を見上げてみてはいかがでしょうか。
空を見上げることで得られる健康効果については、以下の記事も参考にしてみてください。
■体を冷やさないようにする
体の冷えがますます気になる時期は、体を冷やさない生活を心がけましょう。そのためには、自分自身の熱を逃がさないことが大切です。シルクやコットンなどの天然素材の肌着を上手に取り入れて重ね着をしたり、「首、手首、足首」の3つの首とふくらはぎをあたためたりしましょう。
冬の肌着のおすすめ素材については、以下の記事も参考にしてみてください。
大寒の七十二候
二十四節気のそれぞれをさらに3つに分け、季節の風物を表したものを七十二候(しちじゅうにこう)といいます。約5日間で区切って、名前がつけられています。二十四節気の大寒は、七十二候では、「款冬華」「水沢腹堅」「鶏始乳」と移り変わります。
■款冬華(ふきのはなさく)
1月20日~1月24日、雪の下からふきのとうが顔を出しはじめる頃。「款冬」とは、ふきのこと。ふきの花茎であるふきのとうは、香りが強くほろ苦い早春の味です。
■水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
1月25日~1月29日、沢に厚くて堅い氷が張る頃。「腹」には「厚い」という意味もあります。沢に流れる水さえも凍る風景が見られることもある、極寒の時期です。
■鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
1月30日~2月3日、春を感じた鶏が鳥屋に入って卵を産みはじめる頃。本来鶏は、冬は産卵しないとされていました。この後ご紹介する「大寒卵」の貴重さにも納得します。
大寒の食
■寒の水
大寒の時期に汲まれた水は、「寒の水」と呼ばれ、雑菌が少なく清らかであるとされます。この時期に仕込んだ酒を「寒仕込み」といい、発酵もゆっくり進むので特別味に深みが出るといわれています。寒の水は長期保存に向き、古くから味噌やしょうゆ、凍り豆腐、寒天なども作られています。
■寒の餅
寒の水で炊いた米を使った餅は、「寒の餅」と呼ばれます。大寒の日に寒の餅を食べると縁起がいいといわれています。
年に一度の縁起物!「大寒卵」とは
「大寒卵」とは、大寒の日に生まれた卵のこと。冬は鶏の産卵数が少なくなりますが、1年で寒さが極まる大寒の日に生まれた卵は、滋養豊富だといわれています。「大寒卵」を食べると1年を健康で過ごせるそうで、風水では金運がアップするという言い伝えもあります。体をあたためるためにも大寒卵を味わってみてはいかがでしょうか。
大寒は1年で最も寒さの厳しい時期ですが、寒いからこその楽しみがあり、一日を重ねるごとに春の気配も感じられます。栄養を摂って、体を冷やさず、日光に当たり、厳しい時期を乗り越えましょう。
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