健康習慣|暑気払い 楽しく飲んで英気を養う
夏の行事として知られる「暑気払い」。現在、一般的にはお酒の席が多いようですが、そもそもどのような行事だったのでしょうか。今回は、暑気払いの由来や、夏の上手なお酒の飲み方についてご紹介します。
夏の行事として知られる「暑気払い」。現在、一般的にはお酒の席が多いようですが、そもそもどのような行事だったのでしょうか。今回は、暑気払いの由来や、夏の上手なお酒の飲み方についてご紹介します。
暑気払いとは?
暑気払いは、古くは“暑気を払う”という言葉の通り「暑さ避けとしてなにか行うこと」を指すもの。現在のようにお酒を飲むだけでなく、薬になるものを飲む、スタミナ食を食べるなどさまざまな方法がありました。ところがいつしか「暑気払い=夏の酒席」が一般的になり、現在まで続いてきたのです。
「暑さ避けとしてなにか行うこと」の意味合いでよく使われる言葉には「納涼」もあります。よく似た言葉ですが、暑気払いがビジネス上の宴席などに使われることが多いのに対し、納涼は地域の行事やお祭りなどに冠されることが多いようです。
暑気払いでダウンしないために!夏のお酒の飲み方
暑さ避けの暑気払いですから、飲みすぎてダウンしてしまっては元も子もありません。しかし、夏は汗をかきやすい季節なのに加え、お酒を飲むとアルコールの利尿作用で、脱水症状のリスクが高まってしまいます。続いては、夏の上手なお酒の飲み方のポイントをご紹介しましょう。
■喉の渇きに任せて飲むのは控え、適量を守って
喉が渇いている時の冷たいお酒は美味しいものです。つい、量を考えず水のようにガブガブと飲んでしまいそうになりますが、こんな場面であってもアルコールはアルコール。いつもより飲みすぎてしまうと、体への影響が心配です。自分なりの適量を意識して、うっかりペースが速まりそうな場合は事前に少し水分や食べ物を摂っておくなど工夫しましょう。
■チェイサー、和らぎ水を意識して摂ろう
お酒をガブガブ飲まないためにもおすすめなのが、合間にアルコールを含まない水分を飲んで一息入れることです。いわゆる「チェイサー」や「和らぎ水」と呼ばれるもので、飲みすぎを防ぐだけでなく、口の中をリセットして、お酒の味をじっくり味わうことにもつながります。
■お酒の後にも意識して水分を
暑気払いの後はほろ酔いのまま気持ちよく眠ってしまいたいもの。とはいえ、帰り着いた際や寝る前などにも意識して水分を摂っておくと、寝ている間に脱水症状を起こしたり、翌朝二日酔いでつらい思いをしたりするのを避けられます。お茶やコーヒーはカフェインの利尿作用で脱水につながってしまうので、水や麦茶などノンカフェインの飲み物を選ぶのがポイントです。
おつまみで肝臓の働きを助けるのもポイントに
■たんぱく質・ビタミン・ミネラルの多いおつまみがおすすめ
飲み物の摂り方だけでなく、おつまみの選び方でもお酒の後の体調は違ってきます。ポイントは、たんぱく質・ビタミン・ミネラルの多いおつまみ。これらの成分がアルコールを分解する肝臓の働きを助け、体への負担を和らげてくれるのです。
■大豆・脂の少ない肉魚・夏野菜・ナッツ類などを
夏の酒席の定番でもある、枝豆や冷奴といった「大豆メニュー」もたんぱく質やビタミン、ミネラルの多い一品。おつまみの中でも比較的サッと出てきやすい品なので、居酒屋などでは最初の一杯と一緒にまず頼んでおくと安心です。
ささ身やビンチョウマグロなど脂分が少なめの肉や魚、トマトやゴーヤなどの夏野菜、手軽なナッツ類もおすすめ。特にカツオやサバ、レバー、ピーナツなどは、アルコールの分解を助けるナイアシンをたっぷり含んでいるのでぜひ食べたいところです。
ちなみに「締めの一皿」を楽しみにしている人は多いものですが、お酒の後にご飯やラーメンなど炭水化物を摂りすぎると体の負担になります。翌朝のためにも、グッと我慢をしましょう。
せっかくの暑気払いですから、体のために……とあれもこれも節制するのではなく、楽しむところは大いに楽しみたいものです。今回ご紹介した飲み方・食べ方は、無理なく実践できて、夏が旬の食べ物なども味わえる手軽な方法ですから、ぜひ取り入れてみてくださいね。
関連する投稿
寒い季節に出番の多い使い捨てカイロですが、屋外で使うだけになっていませんか?カイロは風邪のひきはじめや、手足・おなか・全身の冷え緩和と幅広く使えます。最近は機能もアップしていますので、さまざまなシーンで役立ちます。体調のくずれ、冷え、疲れ、だるさなどに、カイロを使ってからだを養生することもできます。今回は、貼るタイプのカイロの活用法を中心にご紹介します。
秋から冬にかけては、日に日に乾燥が厳しくなります。この時期の風邪は、喉の痛みからはじまる方も多いもの。なかには、この季節になると、喉からくる風邪に悩まされている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、喉の痛みがつらい時にすぐ試したい、さまざまな対処法やおすすめの生活習慣についてご紹介します。
「美容のため」というイメージが強い保湿ケア。きれいでいるために欠かせなお手入れですが、肌の乾燥が進んでしまうと美容はもとより健康面でも弊害が出てしまいます。乾燥すると肌が美しく見えないだけでなく、かゆみや湿疹などの症状に悩まされることもあります。今回は、健やかな美肌を守るための保湿について、見直したいポイントをご紹介します。
パソコンやスマホによる目の疲れや、涙の量が減少するドライアイ、慢性的な目の疲れによる眼精疲労など、増加する目のトラブルは現代病のひとつ。目の疲れが続くと、肩こりや頭痛などの症状も出てしまうので厄介です。今回はご自身でできる、目のセルフケアをご紹介します。
木の棒を投げてピンを倒す、ボウリングのようなスポーツ「モルック」。一見シンプルながら、点数計算やゲームの進め方などには意外と戦略性があり、脳トレにもなるスポーツとして近年注目されています。今回は、モルックの概要についてご紹介します。
最新の投稿
日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。
引っ越し時や家電製品の買い替えなど、不用なものが発生した時に困るのが、処分方法ではないでしょうか。不用品の処分は品目によって方法が異なり、業者を利用するなどの方法もあります。そこで今回は、家庭で発生した不用品の処分方法について解説します。
健康メニュー|頭に体にだんぜんヘルシー! 手軽に魚料理を取り入れるコツ
魚を食べることは体にいいと分かっているのに、調理の手間や骨が苦手といった理由で敬遠する方も多いよう。実際、どの世代でも性別に関わらず魚の摂取量は減少しています。そんな今だからこそ知ってほしい、魚を食べることのメリットや、手軽に食事に魚を取り入れるコツをご紹介。今より少しだけ魚を食べることからはじめましょう!
日本人にとって身近な桜。実は、桜の種類は数百種にものぼることをご存じでしょうか。広く知られる品種に「ソメイヨシノ(染井吉野)」、「ヤエザクラ(八重桜)」、「シダレザクラ(枝重桜)」などがありますが、その他は、あまりなじみがないのではないでしょうか。今回は、名前は知られていなくても、街角や観光地などに咲く桜をご紹介します。
肥満のもと、健康の敵と、なにかと悪者にされがちな「あぶら(脂質)」。しかし、生きていくために欠かせない栄養素でありむやみに断ってしまうと健康に悪影響をおよぼします。最近はエゴマ油、アマニ油など体にいいと注目されている食用油もあります。あぶらの性質や効果を学び、美味しく健康的に摂り入れましょう。